太陽光発電のメンテナンス頻度の目安とは?かかってくる費用も解説!
再生可能エネルギーとして、人気を集めているのが太陽光発電です。家庭用としても普及が進み、これから設置したいと思っている人も多いのではないでしょうか。もっとも気になる要素のひとつがメンテナンスです。どのくらいの頻度でメンテナンスが必要なのか、費用についても解説しましょう。太陽光発電を検討している人は、参考にしてください。
太陽光発電のメンテナンスは不可欠?
「太陽光発電ってメンテナンスフリーなのでは?」と思っている人がいるかもしれません。「メンテナンス不要」という噂も流れていますが、基本的にメンテナンスは必要です。2017年4月に「再生可能エネルギー特別措置法」(旧FIT法)が改正され、50kw未満の太陽光発電におけるメンテナンスが義務になりました。
改正以前は50kw以上では保守管理義務はあったものの、50kw以下では明確な規定がなかったのです。そのため、機器の故障や不備が生じるケースがあったことから、50kw以下のものもメンテナンスが義務化されたという背景があります。メンテナンス時に行うべきことは次の4つです。
・メンテナンスの計画策定
・計画を実行するための体制づくり
・メンテナンスの実施
・記録の保管
太陽光発電のメンテナンス頻度の目安!
メンテナンスの頻度は定められていないものの、目安は示されています。基本的には設置してから1年目、5年目、9年目、そして9年目以降は4年に1度の頻度です。ただし、機器がどのような環境に設置されているのかによって、故障や不備が生じる可能性は異なってきます。
たとえば海の近くに設置されていると、塩を含む海風の影響を受けて金属が腐食しやすくなるでしょう。また雨水がたまりやすかったり、風を受けやすかったりする場所に設置されている場合も、機器の損傷や劣化が進みやすくなります。
そのため、上記の頻度はあくまでも目安です。それぞれの環境や状況に合わせて、メンテナンスの頻度を決めることになるでしょう。
太陽光発電のメンテナンスはどのくらいの費用がかかる?
具体的に必要となる費用は、設置状況によって異なります。どのような場所に設置されているのか、パネルの設置枚数によっても費用は変わってくるのが一般的です。目安は1回の点検で約2万円と考えるとよいでしょう。2万円は点検に関わる基本料金で、状況に応じて次のような費用が加算されていきます。
まずは足場代です。足場を組まないと点検できない場所にパネルがある場合は、足場を組むための費用がかかってきます。目安は壁一面に対して8万円ほどです。続いては修理費用を考慮しましょう。メンテナンスの範囲を大きく超えて修理が必要と判断された場合、修理費用も必要となります。メーカーの保証期間内であれば保証対象となる可能性もあるため、確認しておくとよいでしょう。また個別で保険に加入している場合も同様です。
パワーコンディショナーの場合、通常運転をしていても自然と摩耗していくため、一定期間経過後に交換しなければいけません。目安は20年に一度の交換で、費用は20万円ほどです。
セルフメンテナンスの方法
上記で解説したように、定期点検やメンテナンスの目安は数年に1度のペースです。日常的なセルフメンテナンスを組み合わせることで、故障や不備などのトラブルを早期発見し、事態が深刻になる前に改善できるでしょう。
ただし足場がなかったり、不安定な場所に設置されていたりする場合は控えてください。転倒や転落をして、大きなケガを負ってしまうかもしれません。セルフメンテナンスにおいては、以下の3つに絞ってチェックをするとよいでしょう。
■パワーコンディショナーのチェック
機器本体に汚れが付着していないか、通常時とは異なる音がしないか、変な臭いを発していないか、フィルターの目詰まりはないかなどをチェックしてください。
■ケーブルや配線のチェック
2つ目はケーブルや配線のチェックです。破損していないか、腐食していないか、断線していないかなどを目視で確認してください。
■モニターのチェック
最後はモニターのチェックです。できれば毎日こまめにモニターをチェックしておくことで、発電量の変化から異常を早期に察知できるようになります。急に発電量が減っただけでなく、微量減少にも気が付き、故障や不備が進む前に対応できるはずです。
太陽光発電はメンテナンスフリーではありません。2017年4月の法改正にともなって、50kw以下の機器にもメンテナンス義務が課されるようになりました。頻度は決められていないものの、設置してから1年目、5年目、9年目、そして9年目以降は4年に1度の頻度が推奨されています。
ただし設置されている環境によって、メンテナンスすべき頻度は変わってくるので注意しましょう。費用の目安は1回につき約2万円です。日常的なセルフメンテナンスと組み合わせることで故障や不備を早く発見し、大切な太陽光発電設備をできるだけ長く利用できるようになるでしょう。