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太陽光発電は反射する?クレーム・ご近所トラブルにならないためには

公開日:2024/03/15

太陽光発電 反射

 

太陽光発電はクリーンエネルギーの未来を拓く技術として高く注目されています。しかし、パネルの設置によって光が反射し、近隣住民に不快に思われることもあり、クレームやご近所トラブルの原因となることも。そこでこの記事をきっかけに、ご近所トラブルを避けるための対策について考えてみませんか。

パネルの反射光によってトラブルになった事例がある

太陽光発電システムは、再生可能エネルギーとして広く普及していますが、その設置によって反射光に関連したトラブル事例が時折発生しています。ここでは、2つの代表的な事例を紹介し、反射光によって生じた問題に焦点を当てて解説しましょう。

神奈川県横浜市(2012年10月18日判決)

神奈川県横浜市で発生した事例では、新築の住宅に太陽光発電パネルが南面と北面に設置されました。しかし、隣接する住宅が、太陽光パネルからの反射光が窓や室内に差し込み、室内温度の急上昇や眩しさに悩まされたのです。

この問題を受けて、訴訟が起こされ、最初の判決では反射光が「受忍限度」を超えると認められ、パネルの撤去と損害賠償が命じられました。しかし、控訴を経て、高等裁判所での判決では「受忍限度を超えると直ちに認めることはできない」との理由で判決がくつがったのです。

兵庫県姫路市(2015年)

兵庫県姫路市において、メガソーラー発電施設「姫路ソーラーウェイ」が建設され、その反射光によって住民の生活に影響がおよびました。近隣に住むAさんが、「室温が極端に上昇し、妻が熱中症と診断された」と主張し、訴訟を提起したのです。

この事例では、建設前の説明では反射光の問題はないとされたにもかかわらず、実際に問題が発生しました。被告側は植樹や遮光ネットの設置などの対策を講じましたが、なかなか解決に至らず、2度目の植樹によりようやく反射光がなくなったのです。

しかしその後も、熱中症とメガソーラーとの因果関係が証明されないなど両者の折り合いがつかず、2017(平成29)年11月30日付で原告側のAさんが訴えをすべて取り下げる形で事態が終結しました。

反射光の原因は?

トラブルを起こさないためには対策が必要ですが、まずは原因を知ることが大切です。なぜ反射光が起きてしまうのか、その原因を探ってみましょう。

自宅より高い建物が存在する

太陽光パネルは、入射光の角度に等しい角度で光を反射します。したがって、太陽光パネルの設置場所に自宅よりも高い建物があると、その建物からの光が反射光として太陽光パネルに入り込む可能性があるのです。

とくに、丘や急勾配の坂のある地域では、この問題が顕著でしょう。

太陽光パネルの角度

地域や住宅環境によって異なりますが、太陽光パネルの設置角度は、一般的に15〜45度の範囲で設置されます。この角度は、太陽光をもっとも効率的に吸収して発電効率を向上させるために選ばれます。

設置角度が急であるほど反射光の角度も高くなり、反射光の問題が発生しやすくなるのです。設置角度が45度以上になる場合は、周辺環境を調査し、専門機関で反射光テストを行うことも検討しましょう。

屋根の急傾斜

先述したとおり、太陽光パネルの角度によって反射光が発生する原因になります。つまり、設置ベースである屋根がもともと急傾斜であっても同じことがいえるのです。

西向きや東向きの屋根だけではなく、南面に太陽光パネルを設置した場合でも、急傾斜の屋根に設置すると反射光の問題が顕著になります。

北面に太陽光パネルを設置した

じつは、南面が太陽光パネルの設置に最適である理由は、発電効率が向上するだけではなく、反射光の問題を防ぐためでもあります。反対に、太陽光パネルを北面に設置する場合、反射光の問題がもっとも多く発生します。

反射光は、入射角と同じ角度で光が反射するため、北面に設置された太陽光パネルは効率的に光を吸収できず、発電効率や発電量が低くなります。南・東・西面に太陽光パネルを設置できない場合でも、北面に設置することは経済的にも効果が少ないため、あまりおすすめできません。

反射光によるトラブルを防ぐ方法・対策

太陽光発電のシステムを導入し、効率的な発電を実現するためには、反射光によるトラブルを避ける必要があります。こちらでは、反射光トラブルをゼロに近づけるための4つの方法を詳しく説明しましょう。

角度を考慮する

太陽光発電システムを設置する際、一般的には10〜45度の角度で設置することが効率的とされています。しかし、住宅環境によっては設置角度を調整する必要があるのです。

自宅周辺に高い建物がある場合や、太陽光パネルの設置面に窓が多い場合、反射光トラブルの可能性が高まります。

業者選びにこだわる

太陽光発電システムの導入前に、販売店や施工店が現地調査を行っているかチェックしましょう。きちんとした販売店や施工店であれば、現地調査の結果をもとに、反射光のシミュレーションや最適なレイアウト作成を行います。

また、太陽光発電システムを設置する際には、複数の業者から相見積もりを取るのがおすすめです。単に設置費用や保証だけではなく、住宅環境などを評価し、提案してくれる業者を選ぶと、反射光のトラブルを未然に防げます。

特殊加工されたパネルを選ぶ

太陽光パネルはもともと反射防止コーティングや低反射ガラスを使用して、発電効率を向上させるために設計されていますが、未吸収の光は反射光として外部に放射されます。最近では、防眩コーティングを施した製品も登場しているのです。

近隣住民に承諾を得ておく

近隣住民とコミュニケーションを取り、承諾を得ることも重要です。反射光や反射熱の問題も生じる可能性があります。同意が得られない場合は、遮光カーテンや遮光フィルムを用意し配布しておくと、トラブルを回避できるでしょう。

また、事前に話しておくことで、反射光のトラブルや施工当日の騒音などを回避できます。

まとめ

事例からもわかるように、太陽光発電設備を設置する際には近隣住民への配慮が欠かせないことが示されています。資源エネルギー庁の「事業計画策定ガイドライン」でも同様の考え方が強調されており、当然産業用太陽光発電だけではなく、家庭用太陽光発電にも適用されます。

設置前に慎重に検討し、適切な対策を講じることが、反射光による問題を最小限に抑えるカギとなるでしょう。

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